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(2004/5~2024/10)内訳
鼠径(そけい)とは、足の付け根の部分のことをいい、ヘルニアとは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態をいいます。一般的に「脱腸」と呼ばれています。
「鼠径(そけい)ヘルニア」とは、本来ならお腹の中にあるはずの腸の一部が足の付け根の皮膚の下に出てくる病気です。出てくる腸は、小腸であったり大腸の場合もあり、本来納まっている部分からぽっこり飛び出します。症状によりますが、力んだ時に飛び出す事もあれば、出たままになる場合もあります。
一般の方には「脱腸」と呼ばれている病気です。脱腸(そけいヘルニア)は、タイヤの弱くなった部分から内部のチューブが突き出ているのに似ています。
鼠径ヘルニアは、小児と中年に発症する事が多く、また女性より男性に多いのも特徴ですが、小児の場合は先天性な理由であったり、中年の場合は筋肉が弱まったのが要因であったり、発症する原因が違っています。
脱腸は、ほとんどが男性による発症です(「大腿ヘルニア」 というヘルニアを除く)。これは、男性の「そけい部」の生まれつきの構造によるもので、筋膜があまり強くないからだと考えられています。
また、脱腸は乳幼児・中高年に多い傾向があり、女性に比べて特に40代以上の男性に発症する事が多い傾向があります。
鼠径ヘルニアは、お腹の臓器を包んでいる腹膜と内臓のつけ根の筋肉が弱く、その部分から飛び出してしまう事が大きな要因となります。
脱腸は、小児期(子ども)に先天的に発症します。これは母体にいる段階で、既に脱腸を抱えているケースが多いからです。
成人になってからの脱腸は、加齢による筋膜の弱体化等が原因となって発症するケースが多いようです。成人になってからの脱腸は、肥満や筋肉の低下などにより、もともとあった先天的な原因の部分が悪化してでてくることがあります。
また、仕事で重いものをもったり、喘息、前立腺肥大など、おなかに強い力(腹圧)がかかることにより脱出する部分が大きくなり症状が出るかたもおられます。もともと症状がなかったが、乗馬や事故などで腹圧がかかることによって症状が出てきた方もおられます。
高齢者では、先天的なものとはまったく違い、腹壁や筋肉がよわくなってふくれてくることもあります。 事故にあった方、ヘルニアの発症が事故が原因だと相談にこられた方がおられます。
成人になっても、先天的に脱腸(そけいヘルニア)になる要素を持っている人もいますが、成人の場合は脱腸になりやすい職業があるので要注意です。
年齢的とともに筋肉やお腹の壁が弱くなり飛び出てくるケースです。
職業が原因で脱腸が起こるケースも報告されています。特に、頻繁に重いものを持つことがある職業の方はご注意下さい。
鼠径ヘルニア(脱腸)の症状は、飛び出した部分を抑えると引っ込む「ヘルニア状態」と、症状が進行し、飛び出したまま元の場所に戻らなくなってしまう「嵌頓状態」になります。また鼠径ヘルニアには「外鼠径ヘルニア」「内鼠径ヘルニア」「大腿ヘルニア」と呼ばれる種類に分けられます。
鼠径ヘルニアになると、どのような状態になるのか?痛みなどを状態別で紹介します。
「ヘルニア」とは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態をいいます。
初期段階では、違和感を感じます。
脱腸になると、立った時やおなかに力をいれたときに、足のつけ根のところ(そけい部)に柔らかいふくらみが出てきます。 この状態だと、ふくらみは寝たり、手で押さえると引っ込みます。
この段階では、特に痛みは感じないので軽く考えがちです。
おそらく、脱腸だと気づかない人もいることでしょう。
徐々に、生活に支障が出てきます
脱腸に気づく頃には痛みと、違和感を感じるようになります。「長時間立っているのが辛い」「息苦しい」「時々、鋭い痛みが走る」 「お腹が突っ張っている感じが常にする」といった症状が出てきます。
こうなってくると、生活に支障が出てきてしまうので、ストレスともなってしまいます。ストレスは自分の健康のみならず、周囲の人にも影響が出てくるので、要注意です。
飛び出た脱腸部分が、筋肉でしめつけられ戻らなくなった状態になってしまいます。この症状を、嵌頓(かんとん)状態といいます。
脱腸を放置していると、 この嵌頓ヘルニアになってしまう危険性があります。
腸が嵌頓を起こすと、腸の中を食べ物が流れていかなくなってしまい腸閉塞を起こします。また、しめつけられた腸に血液が流れなくなり、腸の組織が死んでしまい(壊死)、命に関わる場合もあります。
嵌頓は、いつ起こるのか予想できません。
嵌頓が起きた場合には緊急手術が必要になります。腸の壊死があった場合には腸を切除しなくてはならないこともあり、長期の入院治療が必要になります。
脱腸が普段より、2倍3倍の大きさになり戻らないときには、緊急の処置が必要です。
脱腸(そけいヘルニア)は大きく3つに分けられます。
鼠径ヘルニアの殆どが、外鼠径ヘルニアです。幼児に多く発症する鼠径ヘルニアのほとんどが外鼠径ヘルニア(間接型)で、睾丸に繋がっている血管・精管が通っている部分で、腸の一部が腹壁の外側に飛び出して膨らんでしまいます。このような理由から、鼠径ヘルニアは男性に多く発症します。
幼児が発症する原因として、出産前の胎児期に必要だった内鼠経輪(うちそけいりん)という隙間が、先天性の理由などから閉じずに隙間が残ってしまった場合、その隙間から皮下に入って腸が出たり入ったりします。
成人で中年以降の男性に多いのが、内そけいヘルニアです。そけい部後方の服壁を腸が突き破り、ヘルニアが起こります。加齢などによる腹筋が弱くなるなど鼠径部の壁が弱くなることで、その弱くなった部分から腸が飛び出してきます。
女性に多いのが、大腿(だいたい)ヘルニアです。特に出産後の女性に多いのが特徴です。そけい部の下、足への血管の脇へはみ出すヘルニアです。最も嵌頓を起こしやすいヘルニアなので早急に手術による治療が必要です。
上記の2つ以上のヘルニアが合併するケースもあります。