初診は年月以降に予約できます。
日帰り手術は年月以降に予約できます。
日帰り手術件数 13,456件
(2004/5~2024/10)内訳
痔の治療に病院を選ぶときに色々とお悩みになることは多いはずです。 私の病気にどんな治療をされるんだろう? どんな先生なんだろう? 個人情報とかは大丈夫なのかなぁ? そんな、痔や日帰り手術など、色々なご質問を紹介させて頂きます。
健康診断で便潜血が陽性と診断された場合は、クリニックでも総合病院でもかまいませんので、大腸内視鏡検査を行っている消化器内科(当院は実施していません)をできるだけ早く受診してください。検査の途中、万が一、ポリープや早期の大腸がんが発見されれば、その場で切除することが可能です(入院が必要なこともあります)。
排便時に出血があると驚いて心配になり、肛門外科や内科を受診する人はいますが、健康診断の便潜血の結果が陽性だったからといって急いで検査を受けに来る人は少なく、「きっと痔だろう」と考える人もいるようです。
しかしながら、当院でも、過去3年間に痔の手術を受けられた40歳以上の方を振り返ってみると、11人に1人の割合で大腸ポリープや大腸がんを認めています。そのため、健康診断で要精密検査の結果が出た方には、必ず大腸内視鏡検査を受けるよう指導しています。また、家族や兄弟に大腸がんが見つかった場合も、検査を受けるよう勧めています。
大腸内視鏡検査の準備は大変ですし、受診には勇気が必要です。しかし、「やっておけば良かった」と後悔しないためにも行動することが大切です。
肛門にかゆみや痛み、違和感があると、清潔にしていなかったからなのかと、大抵の方は思われるようです。そこで、排便後、肛門を温水シャワーで洗ったり、入浴時に石鹸をたっぷりつけてこすったり、赤ちゃん用のおしりふきで念入りに拭かれる方がおられます。
肛門は過剰にきれいにする必要はありません。人間の肛門の皮膚には、便から皮膚を守る機能があるからです。肛門周囲をきれいにしすぎることは、わざわざその機能を壊していることになります。
特に夏場、過度に飲酒したり、水分摂取過多、ヨーグルトや野菜ジュースなどを摂りすぎると、軟便や下痢になることがあります。軟らか過ぎる便には、腸液がたくさん含まれているため、肛門が刺激を受け、とても傷つきやすくなります。肛門が弱くなっているときに、温水シャワーや石鹸で洗ったりこすることは厳禁です。
肛門にかゆみや痛みを感じたら、排便時は決してこすらず、紙で軽く「押さえ拭き」するだけにします。皮膚を保護するために、ワセリンなどの軟膏を塗ってもかまいません。温水シャワーや石鹸の使用は中止し、その上で7〜10日後、症状が改善しなければ、医療機関の受診をお勧めします。
寒い季節になると水分摂取量が急激に減ることもあり、毎日出ていた便が2〜3日に一回になることがよくあります。しかし、便秘という言葉に明確な定義はなく、排便が2日に一回、3日に一回であっても、自分は便秘だと意識していない方も多いです。
ところが、3日も4日も排便できずにいると、2〜3センチの粘土状の便がくっつきあって肛門をふさいでしまう状態になり、スムーズに出せなくなったりします。また、洋式トイレではしっかりといきめないことも多く、いっそう排便が難しくなるのです。
数日経っても便が出ず、肛門の不快感で苦しんだり、救急病院のお世話になる方もいます。高齢者だけではなく、50歳代前後の若い方も例外ではありません。便をかき出せればよいのですが、容易にはできませんし、浣腸を常備している家も多くないでしょう。
普段から便が硬めの方やコロコロ便の方は、2日出なければ浣腸をすることをお勧めします。下剤を服用しても、まったく出ないこともよくあるからです。つらい思いをしないために、便という〝生ごみ〟は毎日捨てるようにしましょう。冬場でも、水分補給を心がけることが大切です。
肛門の縁にいぼがある方、排便の度にいぼを指で押し戻している方、また排便時、紙に血が付き、痛みがある方などは、自身に〝痔〟があると自覚されていると思います。
痔があるため肛門を清潔にしようと、石けんでこすり洗いしたり、温水便座で洗浄しているなら止めた方がいいでしょう。肛門の皮膚が弱り、悪化します。また、便秘を改善しようと、便を軟らかくする薬やヨーグルト、牛乳などを大量に摂取して、軟便や水様便になっている方がいます。軟らかい便は肛門に負担をかけ、痔を悪くする原因になるので、排便コントロールには注意が必要です。重症化し、痛みや出血もひどくなります。
あと、強くお伝えしたいのは、「大腸がんを否定しないこと」です。痔のある方は、健康診断で便潜血検査が陽性と指摘されても「きっと痔のせいだろう」と、精密検査を受けない傾向があります。これは非常に危険な考え方です。潜血が痔のためでない可能性があるからです。
大腸がんは早期に発見すれば、ほとんどの場合、内視鏡手術で治療することができます。痔の症状のある方は、定期的に必ず大腸内視鏡検査を受けましょう。
肛門の病気には、いぼ痔、切れ痔、痔ろうなどがあります。出血、痛み、違和感が主な症状で、ほとんどが便秘、下痢、温水便座の使い過ぎが原因です。
日常生活に支障がなく、症状が軽い場合は、排便習慣の改善や投薬治療でよくなりますが、治療経過が思わしくなかったり、進行した痔は手術による根本治療が望ましいです。
いぼ痔のなかでも、排便後に指で戻す必要があるものは手術でなければ治りません。切れ痔だと、▽投薬治療を2〜3カ月続けても症状が改善しない▽長年切れ痔を繰り返し、完治せず、切れた部分が深くなっている▽切れ痔に伴うポリープができている場合などが、手術の対象となります。
痔ろうの治療は、根治手術が基本です。
手術は、眠っている間に終わる「日帰り手術」が主流です。入院の必要がなく、手術後は歩いて帰宅できます。自宅では普段通りに生活する方がよく、安静にする必要もありません。散歩程度なら出かけるのもよいでしょう。
現在は、仕事を休めない人や家族を介護している人など、入院しづらい方をはじめ、高齢の方も日帰り手術で治療できるようになりました。まずは悩まず、医師にご相談ください。
「近頃、便が細くなった」と受診される方は大勢いらっしゃいます。
便が細くなる原因には、次の3つが考えられます。
①便自体が軟らかいために、太くならない=最近非常に多い症状です。便を軟らかくする酸化マグネシウム(医療機関で処方されるマグミットなど)の薬を多めに服用していたり、ヨーグルトやアルコール等を毎日摂取している方によく見られます。便が必要以上に軟らかくなっていることが原因です。
②肛門自体が狭い=便が軟らかくなりすぎると、もれるのを防ぐために肛門の緊張が強くなります。日常的にこの状態が続くと肛門が狭くなってきます。また、切れ痔が慢性化したり、温水洗浄便座などを多用した場合も同様に肛門が狭くなります。
③直腸がんなどで肛門に近い部分が狭くなっている=直腸の先端は肛門につながっています。この肛門に近い部分に大きな腫瘍やがんが出来た場合、肛門が正常でも腸管が狭くなるため、便が細くなります。
便を軟らかくする薬を飲んでいないのに、ここ半年ほど便が細かったり、下剤の調整や生活習慣を改善しても便の太さが変わらない場合は、医療機関の受診をお勧めします。
肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)のようですね。この病気は、肛門の脇に膿がたまり、強烈な痛みを伴います。形のない便や軟便の方(飲酒で下痢をする方も)、温水洗浄便座を常用している方、疲労等で抵抗力が弱っている方がなりやすいです。小さければお薬で治りますが、基本は切って膿を出す治療が必要です。
初期症状は肛門の違和感で、次第に痛みに変わります。1日ほどでさらに肛門の脇が腫れていることに気づきます。腫れは急速に大きくなります。
膿がたまって腫れているところに穴が開き、排膿すると急に痛みが改善されます。膿が出ると1〜2割の方は自然治癒するようですが、完治したのではないので注意が必要です。
症状を繰り返す方は、次の段階である「痔ろう」という病気に進行します。痔ろうは根治手術が必要です。放置すると複雑な痔ろうに悪化し、まれに痔ろうがんになることがあります。
肛門周囲膿瘍を疑ったり再発する方は、早めに医療機関を受診するようにしてください。
排便時に出血すると心配になりますが、市販の注入軟膏などを使って出血が止まると安心し、そのままにしてしまっている人は多いのではないでしょうか。
痔による出血は、初期の頃は便通を整えたり日常生活を変えることで症状は改善しますが、進行した痔や、それに伴う出血の治療は手術が必要になります。また、真っ赤な血が出る原因が痔であるとは限りません。痔の手術を受けた人に大腸がんなどの悪性疾患が見つかることがあるように、ほかの病気が隠れていることがあります。出血が時々でも長く続く場合は、外科などの医療機関を受診してください。
さらに、出血の有無にかかわらず、40歳以上の方は、年に一度の大腸がん検診をお勧めします。内視鏡検査が一番よいのですが、便に血が混じっていないか調べる便潜血検査は最低限、受けましょう。また、10歳代や20歳代でも問題が無いとは限りません。若いからといって安心は禁物です。
早期の大腸がんであれば、内視鏡手術で切除すれば完治します。医療機関での診察や大腸検査を受けるのは勇気が必要ですが、受診しなかったことを後悔しないため、ぜひ病院に足を運んでください。
排便時の出血の原因は、ほとんどの場合、切れ痔やいぼ痔です。市販の注入軟膏を使うと快方に向かう方もいますが、血液をさらさらにする薬(血栓予防薬)を服用している方や、痔の症状が進行している方などは、なかなか治らないこともあります。
まずは、排便時に肛門に負担がかからないように、便通をよくしましょう。野菜を多く摂取し、便を軟らかくする酸化マグネシウムを服用したり、下剤や浣腸などを使って、毎日のスムーズな排便を促します。入浴でしっかり体を温めたり、適度な運動をするのも効果的です。
ただし、便秘だけでなく、下痢や軟便も肛門をいため、出血の原因になるので注意が必要です。また、温水便座などで肛門を洗いすぎると悪化したりしますので、気をつけましょう。
通常は、出血の原因である痔の治療を行いますが、それでも出血がなかなか止まらないときは、止血作用のある坐薬や注入軟膏、漢方薬も使用します。
肛門の出血は、痔が原因で起こることがほとんどですが、なかには、直腸がんだった例もあります。2週間以上出血が続くときには、すみやかに医療機関を受診し、検査を受けた方が安心です。
排便時の痛みの原因は、切れ痔が多いです。肛門の皮膚が切れて痛みや出血を起こす病気です。切れ痔が出来てすぐの時期であれば、お通じを良くして、ステロイドを含有した注入軟膏を使うのが効果的です。しかし、症状が進んでくると、見張りイボや肛門ポリープができてきます。
さらに悪化すると、肛門そのものが狭くなってきます。この状態になると、薬だけではなかなか治りません。拭くと痛いため、肛門を温水便座で洗浄したり、硬い便が痛む原因だと思い、便を軟らかくするために薬やヨーグルトなどを摂取される方が多いですが、傷の治りが悪くなるので、さらに悪化します。
練り歯磨きより少し硬いくらいの、ちょうどよい便を毎日出すには、運動不足を解消し、規則正しい生活を送り、腸の動きを活発にすることが重要です。また、食物繊維を多く取ることを心がけましょう。改善しない場合は、早めに医療機関を受診されることを勧めます。
いぼ痔は、「出血のみで痛みなし(第1段階)」「排便時にいぼが脱出するが自然と元に戻る(第2段階)」「いぼを指で押し込まないと戻らない(第3段階)」「自然といぼが出てくる、もしくは出たままになっている(第4段階)」の順に、少しずつ悪化していきます。
寒くなるとおしりの調子が悪くなる方はたくさんいらっしゃいます。水分の摂取が少なくなって便秘気味になる上、冷えによる血流の悪化のため、いぼ痔がひどくなるようです。
対策としては、まず、体が冷えないよう温かくしましょう。カイロを使うのも効果的です。入浴は湯船にゆったりつかり、積極的に水分を取るように心がけてください。便秘の人は、食物繊維の多い煮野菜などを食べるのも良いでしょう。毎日排便して、肛門に負担をかけないことが大切で、時には浣腸も有効です。一方、下痢も肛門に刺激を与えるため、よくありません。下痢の原因になる飲酒、ヨーグルト、薬の摂取には注意が必要です。排便コントロールができれば、第2段階までは改善できることが多いです。
第3段階以上になると、薬だけの治療では改善が難しく、手術となります。現在は、日帰り手術もあります。早めの治療をおすすめします。
いぼ痔は、「出血のみで痛みなし(第1段階)」「排便時にいぼが脱出するが自然と元に戻る(第2段階)」「いぼを指で押し込まないと戻らない(第3段階)」「自然といぼが出てくる、もしくは出たままになっている(第4段階)」の順に悪化していきます。第3段階以上になると、薬だけの治療では改善が難しく、手術となります。
手術による治療は、初期の場合、硬化剤(ジオン)を脱出したいぼ痔に注射して、いぼ痔自体を固めて小さくする方法が有効です。また、脱出する痔(初期ではない)、脱出したままの痔、肛門の外にある痔、肛門の皮が伸びてしまっている等の場合は切除し、とってしまう手術が必要となります。
手術の時間は15分から20分程度です。いずれも日帰りで受けることができ、手術後30分から60分程度安静にしたのち、帰宅となります。自宅では普段通りに過ごしていただけます。入浴も翌日から可能です。
痔は悪性の病気ではないので、長い間、治療せず我慢している方もおられます。痛みや出血などのつらい症状に思い悩むよりは、痔がすっきり治ったときのことを想像してみてはどうでしょう。まずは、お近くの外科の先生に相談されることをお勧めします。
排便時に、肛門にできたいぼが脱出して、指で戻すことが習慣になってしまっている方がいます。脱出の原因は、主に「脱出性内痔核」であると考えられます(注・同様の症状でも、痔以外の病気の場合があります)。このいぼ痔は、肛門の血管が腫れてできたもので、時に出血を伴います。長年治療しないでおくと、出血がなくなるかわりに、出てくる部分の範囲が広くなってきます。
一般に、指で戻すいぼ痔は薬で治すのは難しく、手術による治療が必要です。そのまま放置していると、指で戻してもすぐに脱出してくるようになり、最終段階になると、常に出たままの状態になります。
指で戻して、その後脱出しない程度のいぼ痔には、ジオン注(硬化剤)という薬を腫れている痔に注射し、いぼ痔を硬く小さくする「ジオン注射療法」が有効です(左図)。日帰りで受けられるため、負担も少なくて済みます。ただし、悪化した痔には行えません。重症化する前に治療を受けることをお勧めします。
痔ろうは、肛門の奥の直腸から肛門周囲の皮膚にむかってトンネルができる病気です。肛門の周りに膿がたまる肛門周囲膿瘍が悪化すると発症します。下痢などによる細菌感染によって起こるのがほとんどですが、ときに裂肛やクローン病という腸の病気が原因となることもあります。、肛門近くが腫れ、痛みや発熱を伴い、トンネルから膿が出てきます。
自然に治ることはなく、手術による治療が必要です。放っておくと複雑化し、治療が難しくなります。軽症であればトンネル部分の切開手術のみで済みますが、肛門の筋肉に影響が及ぶほどの重症になると難しい手術となるため、入院や通院も時間がかかります。
最近では、トンネルを切り開かずに治す「シートン法」が普及しています。これは、膿のトンネルにゴムひもを通す方法で、治療期間は長くなりますが、肛門の変形や便の漏れ、再発が少なく、日帰り手術が可能です。重症化する前の治療をお勧めします。