初診は2024年12月上旬以降に予約できます。
日帰り手術は2024年12月上旬以降に予約できます。
日帰り手術件数 13,456件
(2004/5~2024/10)内訳
肛門の奥の直腸から肛門周囲の皮膚にむかってトンネルができる病気を痔ろうといいます。老年~中年の方に多く、また男性に多いのが特徴です。この痔の初期症状は、肛門周辺の痛みと発熱です。主な原因として、肛門の周りに膿(うみ)が溜まる肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)が悪化して発症します。
下痢や温水便座の常用などによる細菌感染によって起こるのがほとんどですが、ときに裂肛や腸疾患のクローン病が原因となることもあります。肛門近くが腫れ、痛みを伴い、トンネルから膿が出てきます。
自然に治ることは極めて少なく、放っておくと重症化しますので、治療が難しくなります。軽症であればトンネル部分の切開手術のみで済みますが、肛門の筋肉に影響が及ぶほどの重症になると困難な手術となるため、入院や通院も時間がかかります。まれに癌化することもあり、その場合は手術に寄り肛門をとらなくてはならなくなります。
最近では、トンネルを切開せずに治す「シートン法」が広く普及しています。これは、膿のトンネルにゴムひもを通す方法で、治療期間は長くなりますが、肛門の変形や便漏れ、再発が少なく、日帰り手術が可能です。痔ろうの症状を自覚している方は早い時期の治療をお勧めします。
痔ろうは、薬での治療は効果がないので、手術による治療を行います。症状が軽いうちは手術は簡単ですが、放置して症状が進むと複雑な手術が必要となります。
痔ろうになる主な原因は、下痢などにより、歯状線(しじょうせん)にある肛門陰窩(こうもんいんか)というくぼみに下痢便が入って、細菌に感染して起こります。小さなくぼみなので通常はここに便が入り込むことはないのですが、下痢をしていると便が入りやすくなります。その結果、膿の袋(肛門周囲膿瘍)ができます。その後、袋が外向きに破れて膿が出てしまいます。体調が悪い時や体力が弱っている時などは、便の大腸菌に感染し、化膿(かのう)しやすくなります。
袋が外向きに破れ、膿が出てしまいます。
体調が悪いときや体力が落ちているときは、便の大腸菌などに感染し、化膿しやすくなります。
排便の度にくぼみに細菌が入り、炎症が続きます。
手術による治療を行わないと、稀に癌化する場合もある。
痔ろうは他の痔と違って、生活習慣を見直したり、食生活を改善したり、治療薬を使っての治療法はほとんど効果がなく、手術治療をするしかありません。
手術には、一気に切り開いて管を取り除く方法と切り開かずにゆっくりと管を取り除く方法があります。切り開く場合は、入院加療が必要となりますが3週間程度で早く治ります。ただ、傷が治っても肛門が変形し(※この肛門の変形を治療することは困難です)、キズ口からおならや下痢便が漏れることがあります。
当院では主に、切り開かずに管を取り除く方法「シートン法」を行っております。この手術法では治癒までの時間はかかりますが再発が少なく、便を漏らすなどの副作用が起こることは殆どありません(4~12ヶ月程度の時間が掛かります)。
シートン法は、膿のトンネルに生ゴムの紐と薬を含んだ糸を挿入して治療します。従来のトンネルを解放する方法や、くりぬく方法よりも優れていることから、近年肛門の専門の学会や研究会で注目されています。当院では、出来る限りシートン法を用いて、大きく切らずに時間をかけて治します。
複雑痔ろうは、単純痔ろうに比べて手術の難度が高く、治療費用も高額になります。
単純痔ろう(単純なもの)とは、粘膜や皮下のみに痔ろうのトンネルができる浅い痔ろうです。
複雑痔ろう(複雑なもの)とは、肛門を締める筋肉を貫く痔ろうのトンネルができる深い痔ろうです。複雑痔ろうは、バッサリ切り開く手術を行うと、手術後肛門の変形をきたしたり、しまりがゆるくなることがあります。費用も単純痔ろうの倍以上に設定されています。
日帰り手術なら翌日から普通の生活を送っていただけます。