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(2004/5~2024/9)内訳
下肢静脈瘤は一体どうやって発症するのでしょうか?まずは下肢静脈瘤について正しく知っておく事が大切です。
ここでは人間の体内を流れる血管について、動脈と静脈、静脈にある血液逆流防止弁など役割を簡単に知っていただく事で、下肢静脈瘤が発症するまでのメカニズムを出来る限り分かりやすく説明しています。
動脈は心臓から押し出された血液を体中の臓器に流す血管です。逆に静脈は体中に送り出された血液を心臓に戻す際に流れる血管です。
そもそも血液には体中に必要な酸素や栄養分が含まれておりそれが動脈によって体内に運ばれ、送り届けた血液を再び心臓に戻す血管が静脈です。動脈は毛細血管となって体の隅々に張り巡らされており、体全体に酸素や栄養分を運んでいます。
一方の静脈も体の隅々に張り巡らされており、不要となった二酸化炭素や老廃物を心臓に送り返すよう血液を運びます。勿論、足にも動脈と静脈も同様に、動脈によって足のすみずみまで送り届けられた血液は、静脈を通って最終心臓に戻されます。
足は心臓よりも下部にあるため、心臓から送り出す力だけでは静脈を通って血液が戻ってくることが難いので、ふくらはぎの筋肉によって足を動かした時に筋肉がポンプの作用をして血液が上に押し上げます。その際、血液が逆流しないように静脈には弁がついており、この弁が正常に機能している限り血液の逆流を防ぎながら血液を心臓に戻してくれます。
静脈には「表在静脈」と「深部静脈」があります。深部静脈(しんぶじょうみゃく)は大腿静脈とも呼ばれ動脈と並走し、筋肉の間など足の深い部分を流れる太い静脈です。
深部静脈は、歩いたり足の運動によってポンプの働きをして心臓に血液を送り届ける役割を持っています。
表在静脈(ひょうざいじょうみゃく)は大伏在静脈(だいふくざいじょうみゃく)・小伏在静脈(しょうふくざいじょうみゃく)に分かれ、皮膚のすぐ下を流れる細い静脈で、表在静脈は筋肉に囲まれていないためポンプの役割がないのでゆっくりと血液が流れています。表在静脈は、通常「穿通枝」という弁を通って深部静脈へ流れていきます。
人間は二足歩行である為、他の動物とは違い心臓は高い位置にあります。静脈は心臓に血液を送り返す働きをしていますが、どのようにして重力に逆らって心臓に送り届けるのでしょうか?
足は心臓よりも下部にあるため、心臓から送り出す力だけでは静脈を通って血液が戻ってくることが難いので、ふくらはぎの筋肉によって足を動かした時に筋肉がポンプの作用をして血液が上に押し上げます。ふくらはぎの筋肉は収縮することで静脈が圧迫され、その作用で血液は重力に逆らって下から上に押し上げられます。
歩いたり走ったりしますと、この動作が繰り返されますので、「筋肉が縮む→静脈が圧迫される」「筋肉が伸びる→静脈が緩む」ポンプのような働きとなって血液を心臓に送り返すことが出来ます。
ふくらはぎの筋肉の伸縮によって押し上げられた血液は、心臓に戻る長い道のりの途中で押し上げられる力が弱かったり足りなかったりすると重力に負けて逆流する恐れがあります。
その際、血液が逆流しないように静脈には弁が多数ついており、この弁が正常に機能している限り血液の逆流を防ぎながら血液を心臓に戻してくれます。
弁は「ハの字型」になっており、この弁が静脈の収縮に合わせて閉じたり開いたりしますので、収縮を繰り返すことで血液が心臓に送り返されます。
静脈にある逆流防止弁が何らかの理由で壊れると、血液が心臓に戻る事が出来なくなってしまい逆流してしまいます。逆流を繰り返す事で血液が滞留し、行き場を失った血液が長く静脈に溜まり拡張してしまった症状が下肢静脈瘤です。
この逆流防止弁は、一度壊れてしまうと治る事がない上治療や手術で治す・再生する事も出来ません。よってその静脈は、血液を心臓に送り返す事が二度と出来ませんので、症状が酷い場合は静脈を取り除く手術が必要となります。