初診は2024年12月中旬以降に予約できます。
日帰り手術は2024年12月下旬以降に予約できます。
日帰り手術件数 13,516件
(2004/5~2024/11)内訳
イボ痔は、医学用語では「痔核(じかく)」と呼ばれ、肛門の血の流れが悪くなり、血管がはれてこぶ状になったものです。形がイボに似ていることから名前がつきました。直腸と肛門の境界(歯状線)より内側にできたものを「内痔核」、外側にできたものを「外痔核」といいます。
イボ痔になると、排便時に出血することがありますが、初期症状であれば手術の必要がなく、薬による治療で治ります。但し内痔核の場合、初期段階では自覚症状がない場合がほとんどですので、少しでも違和感を感じた時に診察を受けるといいでしょう。
内痔核は知覚神経(痛みを感じる神経)がない直腸側にできる痔核(イボ痔)で、初期症状では痛みを感じることはありません。そのため、排便時に内痔核が便に当たって出血し、便器が赤くなることで、初めて気付くケースが多いようです(Ⅰ度)。イボが大きくなると、イボ自体が排便時に飛び出してくるようになります。
肛門内から飛び出したイボは、最初の頃は自然と肛門内に戻りますが(Ⅱ度)そのうち指で押し込まないと戻らなくなってきます(Ⅲ度)。
さらに症状が悪化すると、排便に関係なくイボが飛び出すようになり、粘液や便がしみ出し肛門周辺の皮膚が炎症を起こすようになってきます(Ⅳ度)。更に便器が真っ赤になるほどの出血が起こるようになります。さらに悪くなると、常に出たままの状態となりイボ痔はもとに戻らなくなります。
Ⅰ度 |
出血あり・痛みなし |
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Ⅱ度 |
脱出するが自然に戻る |
Ⅲ度 |
指で押し込まないと戻らない |
Ⅳ度 |
出たまま・戻しても出てくる |
内痔核の場合、診察の結果で症状が軽いと診察された方は、まずは生活習慣の改善と薬物療法による保存的治療を行います。
内痔核の手術方法は、痔核を全て切除する方法が一般的で、術後出血を起こす可能性もあるため入院による治療が必要です。当院では、出血を最小限にする工夫をした方法により、日帰り手術が可能となりました。また、ジオン注射療法 (硬化療法(四段階注射法)) も行ってきました。(※但し、現在適応できる症例は限られます。)
薬(軟膏や座薬)による治療 | 症状が軽い場合は生活習慣の改善と薬による保存的治療を行います。 |
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結紮切除術 | 疼痛と出血を最小限に抑え、日帰り手術が可能です。 |
ジオン注射療法(内痔核硬化療法) | 肛門の痛みを感じない部分に注射。痛みが少ない。早期復帰が期待できる。 |
いぼ痔(内痔核)は進行すると徐々に大きくなります。肛門内で起こる痔核(内痔核)は痛みは感じませんが、内痔核が大きくなると肛門から飛び出して、薬剤による保存的治療やジオン注射療法やPPH法での治療では治す事が難しくなり、出血も止まらなくなってしまいます。
もはや痔核の症状がここまで進行してしまうと切除を伴う治療が必要となり「結紮切除術(ケッサツセツジョジュツ)」という手術療法にて治療します。
「結紮切除術」は、その名のとおり内痔核に繋がる動脈(血管)を縛ってから痔核を切除します。痔核そのものを切除する事から入院が必要とされてきましたが、当院では出血や疼痛(とうつう:激しい痛みを)最小限に抑える手法にて手術を行う事で、日帰り手術での治療が可能となりました。
当院の「結紮切除術」は、痔核そのものを完全に結紮しますので、他の治療法より根治性が非常に高いのが特徴です。どのような痔核にも治療することが出来ます。他の治療方法に比べて手術直後から運動ができます。
結紮切除術のデメリットとしては、手術後数日は痛みがありますが、座薬や飲み薬で対応できます。但し血液をさらさらにする薬を服用している方や飲酒されている方は稀に手術後10~21日後に出血することがあります。
「ジオン注(痔核硬化療法)」は、いぼ痔(内痔核)を切らずに治す治療法として用いられる痔核硬化療法です。
患部を切らずに治療が出来ますので、出血や術後の痛みもなく、短期間での治療が可能です。
当院では、いぼ痔(内痔核)を切除しない治療法の1つとして取り扱っており、保険診療(保険適用)が可能です。切除する手術とほぼ同様の効果がありますし、切らないので短時間での治療が可能で身体や精神面に負担が少ないのが特徴です。
注射は患部を中心に4箇所行い(四段階注射法)、注射後に患部をマッサージしてジオン注を浸透させます。
直ぐに患部への血液の流れが減り硬化が始まりますので痔の縮小が始まります。
注射した翌日には患部が小さくなりますので、痔による痛みは殆どなくなっているでしょう。
当院では、ジオン注によるいぼ痔の治療は日帰り手術が可能で、殆どの場合翌日から日常の生活を送ることが出来ます。
但し痔核そのものは取らないので15%程度の頻度で再発します。
内痔核が悪化・進行すると、痔核が肛門の外に脱出した状態となります。この状態だと耐え難い激痛となり、手術が必要です。
まずは麻酔をかけ、特殊な機器を肛門に挿入し痔核を肛門内に押し上げます。同時に痔核へ繋がる血管を切除・結合します。
痔核は元の位置に戻り、血管を遮断された痔核そのものは次第に小さくなり、術後の痛みも殆ど感じる事はありません。
痔の手術は患部を切除するのが一般的ですが、PPH法は特殊な器具を使って痔核への血管を遮断・縫合し痔核を持ち上げて治療します。この特殊器具を使用する事で、術後の痛みを極力少なくすることが可能です。PPH法は、1993年にイタリアで開発された治療法で、日本では2008年より保健医療となってから、いぼ痔(内痔核)の治療方法として広まりました。 従来の切除(結紮切除術)との違いは、痛みを強く感じる神経(肛門周辺の皮膚)に傷を付けませんので、結紮切除術に比べて治りも早く痛みも少ないです。 PPH法は内痔核が比較的小さい治療に適しており、大きさや場所によっては治療できない場合があるので、当院でも患者様の症状によって最良である場合はPPH法による治療を行っておりましたが、現在ではPPH法の治療は行っていません。
PPH法のメリット・デメリット
PPH法での治療メリットは、ジオン法と同じく皮膚に傷を付けずに治療が出来ますし、身体への負担が少ない上痛みもほとんどありません。
手術時間も約20分と短く日帰り手術での治療も可能であるのも大きなメリットです。また皮膚を傷つけないので、術後も肛門周辺の見た目もきれいです。PPH法での治療後、稀ですが術後患部より多量に出血する場合があるのがデメリットです。
外痔核は、歯状線と呼ばれる直腸と肛門のつなぎ目の外側にできる痔核(イボ痔)です。これに血豆が出来ると痛みが伴い、時には激痛になることもあります。
外痔核は肛門外側にできるので、指でさわると容易に確認することができます。外痔核には、突然中に血のかたまりを作ることがあり、その場合は激しく痛みます。この症状を血栓性外痔核と呼びます。血栓性外痔核になると突然激しく痛み、数日後排便時や排便に関係なくても出血を伴うことがあります。
出来るだけ早く治療を始めれば、跡が残らず治癒します。
血栓性外痔核の場合、生活習慣の改善と軟膏や座薬で治療する保存的治療で症状が改善することがほとんどです。しかし、外痔核のイボが大きくて痛みや腫れがひどい場合は、特殊な注射あるいは、手術療法が必要です。
薬(軟膏や座薬)による治療 | 生活習慣の改善と薬による保存的治療を行います(完全には治りません)。 |
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楽クリニック式結紮切除術 | 疼痛と出血を最小限に抑え、日帰り手術が可能です。 |
薬物療法には、内服薬と肛門内に注入する座剤があります。内服薬は、主に便を柔らかくして痔核が悪化しないようにします。座剤には、固形タイプと軟膏があります。どちらも痛みを抑える鎮痛薬・麻酔薬と炎症を抑えるステロイド系などがあります。